大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)2043 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人Aの弁護人木内曾益の上告趣意第一点について。

記録を調べても、所論供述調書中の自白が、検察官の強要によるものと認めるこ

とはできないから、所論憲法三八条一項違反の主張はその前提を欠くものであつて

採用できない。

同第二点について。

所論は事実誤認、量刑不当の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。

同被告人の弁護人高橋隆二の上告趣意について。

原判決は、『被告人BはCからD候補応援打合せのため適当の人物派遣方を求め

られて被告人Aに依頼し、同人は横手市に赴いてCと会い、D候補の選挙を有利に

展開するため、自由党本流支部を結成し、その費用を支出することを協議して帰り、

被告人Bと同候補のため選挙運動の報酬および費用として十万円をCに渡すことを

協議した事実が認め得るのであるから、被告人両名はCに対しD候補のため選挙運

動の費用、報酬として金十万円を供与することを共謀したものというべく、被告人

Aの行為は単なる幇助とみるべきではない。』と判断しているのであつて、共謀認

定に関し、すこしも所論判例と相反する判断を示してはいない。所論は結局この点

についての事実認定の非難に帰着し、適法な上告理由にあたらない。

同被告人の弁護人秋山薫一の上告趣意第一点について。

所論は、単なる法令違反、事実誤認の主張であつて適法な上告理由にあたらない。

同第二点について。

原判決は、高橋弁護人の論旨に関して摘示したように、事実を判断して、共謀に

よる共同正犯を認定したのであり、何等所論判例と相反する判断を示しているもの

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ではない。所論は結局事実誤認の主張に帰着する。

被告人Bの弁護人向江璋悦、同長谷山行毅の上告趣意第一点について。

事実誤認の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。

同第二点について。

原判決は、『右の支部なるものはD候補の選挙を有利に展開するための方便とし

て結成されたものであり、被告人両名は金十万円の処分は一切Cに一任し、同人が

他の者にD候補のための選挙運動の報酬として供与することも承知のうえ、現金十

万円をCに供与した事実が……認められるのであるから、同金員は所論のように純

粋に政党支部結成の費用として交付されたものと認めることはできないのである。

』と判断しているのであつて、所論のように、金十万円は政党支部結成の費用とし

て手交され、その若干が選挙に利用されたというような事実関係を認めているので

はないから、所論違憲論はその前提を欠き、事実認定の非難に帰着するものである。

同第三点について。

量刑不当の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。

なお、記録を調べても本件につき刑訴四一一条を適用すべきものとは認められな

い。

よつて同四〇八条により主文のとおり判決する。

この判決は、裁判官全員一致の意見である。

昭和三〇年三月一五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

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裁判官 本 村 善 太 郎

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